谷地再生事業2007年回顧
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大和田緑地公園谷地再生事業2007年回顧
 

                                          事業部長 小林 正治
 

あらまし

12005年度末の谷地造成工事の際、全ての水面に水がスムーズに流れるように畦の8ヶ所を開削して水路を造成。一年間運用した結果、開削部の土崩れが続いたことや、水の流れ具合を良くする必要があるなど、改良すべき点が判明。その結果、2006年度末に、水路を6ヶ所に減らし、パイプを埋設して地中化し、各水路の出入り口に土崩れ防護柵を設置するなどの改良工事が行われた。工事は2007320日に完了。工事着工の2ヶ月前から谷地に水を入れることが出来なったため、沼地(C)とその西側の水路以外は乾燥して干上がり、底の土はすっかり固くなってしまった。

2)工事完了後3ヶ月振りに水を入れたところ、翌日には、溜池(A)、沼沢(B−1)沼沢(B−2)の水がほぼ無くなっていた。水持ちが悪く、保水力が大幅に低下。最初の年と同じように、代掻き作業はスコップで土を深く掘るというパワーの要る作業となった。

(3)水を入れて約1ヶ月、埋没したパイプの周囲から次々と水漏れが発生。

全てのパイプを掘り起こし埋設し直す作業と、畦部分に発生した土崩れ箇所の補修工事などが主な作業として続いた。そのため、満足のゆく代掻きが出来ずに終わり、保水力は2006年どより悪くなっている。毎月の参加者が4〜6人と少なく、マンパワー不足だったことも原因し ている。

(4)2007年7月中旬ポンプが故障。仮設ポンプ設置後、8月末に新品のポンプと交換。仮設ポンプ設置までの間、各水面への水の供給が停止となった。

(5)20081月守山弘先生が大和田緑地公園を訪れ、緑地内を見学され、谷地再生のアドバイスを頂いた。

62008年3月から本格的に野草の移植が始まった。

 

2007年度各月の作業記録。

2006年度最後の作業は、2007321日、溜池のゴロタ石崩れ防止の杭打ち、カワセミの営巣活動を考慮し、谷地南側の細流の出口部の土崩れ防護柵を増設して終了。

2007年度の作業は前年に続き、毎月第3水曜日午前9時集合とした。

418日 雨天で作業中止(阿蘇に68年振りに28センチの積雪)

516日 溜池と沼沢(B−1)間のパイプ埋設をやり直し、沼沢(B−1)の代掻きと沼地西側水路のアシを除去する。

      西側水路のアシの除去作業                 大砂土中学 体験学習

620日 二つの沼沢の間のパイプ埋設をやり直し、溜池の代掻きと沼沢周囲の草刈り実施。

718日 ポンプ故障で代掻き出来ず、沼地とその西側の間のパイプ埋設をやり直し、沼沢を中心に草刈り実施。

815日 沼沢と沼沢の間のパイプ埋設を再度やり直す。沼沢(B−1)の代掻き。気温40度の猛暑。(翌日熊谷や多治見で40.9度の最高気温を記録)

8月20日 再度沼沢(b−1)の代掻き実施。

  22日 大砂土中学校の生徒11人が沼沢(B−1)で代掻きの体験学習。

  28日 植竹中学校の生徒16人が沼沢(B−1)で代掻きの体験学習。

9月19日 沼沢(B−2)と沼地間のパイプ埋設やり直す。

      谷地南側の細流出口部分のパイプ埋設もやり直し、土崩れ防護柵を補強。

1017日 沼沢(B−2)と沼地間のパイプ埋設を再度やり直す。

1121日 斜面からの雨水の流れ込みで、沼地側の土崩れが大きくなったため、土崩れ防護柵を新たに設置。

12月及び1月は作業中止。

 

20082月より作業日を第3火曜日に変更。

219日 谷地に移すべき野草について協議。ジャノヒゲ移植。

224日 北側斜面にクヌギ・コナラの幼樹16本移植(大谷・大和田支部)

312日 おおじシバリ、カントウタンポポ、カントウヨメナ、コオニタピラコ、ショウブ、ノミノフスマ、ハハコグサ、フキを移植。

  18日 沼地の「中の島」に土を運び入れ「中の島」を暗くしていた白樫の枝を伐採し明るくする。ゲンノショウコ、ショウブ、ナガボノシロワレモコウ、ノアザミ、ノウルシ、ノカンゾウ、ミゾコウジュを移植。

  23日 ショウブ、フキを移植。(大谷・大和田支部)

      20年3月の大和田緑地公園の谷地風景    中の島を暗くしていたシラカシの伐採作業

守山弘先生が大和田緑地公園を訪問

2008126日(土)午前10時から約1時間、小野会長と長澤副会長のご案内で、守山先生が大和田緑地公園を訪問された。当日は午後から、さいたま市水環境ネットワーク(みどり愛護会も加入)主催の講演会が開催され、さいたま市環境対策課の「さいたま市内における水環境の現状・対策について」の講演の後、森山先生が「自然を守るとはどういうことか」というテーマで講演された。その講演前の多忙な時間を割いて大和田緑地公園に足を運ばれ、雑木林と谷地の再生事業の様子を見ていただいた次第。ところで、みどり愛護会の何十人かは、既に守山先生と2回はお会いしている。

200010月と20056月の2回にわたり、みどり愛護会のバスツアーで筑波の農林省農業技術研究所を訪ね、そこで守山先生自らの説明と案内で、研究所敷地内に造成された実物大規模の「ミニ農村」を見学している。この度、森山先生から、谷地の地形と日照の関係、水辺の生き物を育てる環境づくり、その一環として赤米や野草の活用、代掻きの目的、代掻き作業の効率化、特定外来生物法に規定されたウシガエルの問題点など今後の活動になるアドバイスを頂いた。

森山先生は、農業環境技術研究所上席研究官を退任し、現在は、東京農業大学の客員教授をされている。一方、茨城県の古瀬の自然と文化を守る会主催の「田んぼの学校」活動やテレビの「ダッシュ村」にアドバイザーとして参加されながら、農村地域(ノラ・ヤマ・ムラ)の自然環境と文化を、都市部の人々や子供たちに伝え、体験させる活動をされている。

そのような活動の根源となる先生の考えは

 都市の住民が、望ましい都市の姿を見つけるためには、環境が良かった時代に戻って、その良い環境を体験する事が必要である。
と講演された点に凝縮されているように感じられます。

大和田緑地公園の「みどり豊な環境」がさいたま市民の方々にとって、望ましい都市の姿を見つけるための「実践的で良い場所」となるように願い、引き続き2008年度も作業を続けてゆきたいと考えている。

 

 

 

*** さいたま市みどり愛護会 ***