日々暖かくなってきましたね。今回も、少し昔のことについてお話をしましょう。
「塔婆(とうば)」と言う言葉を知っていますか?そう、お墓に供養のため立てている木製の板のことです。墓石の後ろに並んでいますよね。
杉戸町にも古い時代の「石塔婆」があります。場所は杉戸七福神でも紹介した「馬頭院」です。
※塔婆とは?
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塔婆は梵語のストゥーパの音写、卒塔婆の卒を略したものです。かつてインドにおいて、釈尊の入滅後、その遺骨が八分されて各地に安置され、そこにストゥーパ(塔)が建立され信仰を集めました。そして塔を礼拝供養することはもちろん、造塔供養は大変に功徳のあるものとされています。法事や、葬儀で供えられる板塔婆も塔の一種として、故人への追善供養や、施主が功徳を積むために建立されるのです。
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この石塔婆は、馬頭院の住職墓地に建てられていたもので、緑泥片岩(文献によると長瀞から運んだのではないかということである)に、阿弥陀如来の「種子(しゅじ)キリーク(阿弥陀如来をあらわす梵字)」と、文永7年庚午(1270年)が記されています。紀年銘が表記されている物としては、杉戸町最古の物です。
現在は高さ106cmですが、関東大震災時に上部約40cmを失っています。 石塔婆には「一見梵字相 當得天眼通 一時持念者 即身成仏道」と記されています。(意味は正しくは解らないが、何となく解るような??)
鎌倉時代近辺の杉戸町の資料はほとんどと言っていいほど無いそうなので、非常に貴重な物ということです。(平成3年杉戸町文化財指定)
皆様も春の彼岸には、ご先祖様を尋ねてはいかがでしょうか。 |